『高慢~』② ダーシー登場、誰もがそのオーラに怯むもエリザベスには1ミリも効かない

まずはダーシー初登場シーンです。

 

別にダーシーらは主賓というわけでもなく、ただの招かれた客の一行にしかすぎないのですが、明らかに他とは違うオーラがでまくり、とんでもない存在感を醸し出しているせいで、会場の人々は一瞬でびびって踊るのをやめ、勝手に音楽が止まり、前に進むとみんなぺこぺこして後ずさりしながら道をあけてしまいます。

「印籠を出したわけでもなく、巨ち〇を見せたわけでもないのに、勝手にみんなが控えまくる」みたいな感じですね。姿を現しただけで、オーラがヤバすぎて会場の人々にメダパニがかかってしまうレベルなわけです。

しかも、そういう人々の反応をダーシーは「ごくごく普通の現象」のように受け取っている、というか、もはやガンしかしてますw

まるで王侯のようです。歩くだけで、そこらのやつと死ぬほどの差を見せつけてます。

 

原作ではこの箇所は、

「ダーシー氏は、立派な背の高い容姿と、うつくしい目鼻立ちと、品のいい態度と、彼がはいってきてからものの五分とたたないうちに一座のうちにひろまった年収一万ポンドという噂とで、すぐに部屋中の注意を一身にあつめた」

となってます。

昔のヨーロッパでは今よりもずっと家柄と財力が重要な要素であり、いくら容姿と態度が完璧でも、財力が伴わないと「うーむ、残念!」となるのですが、しかしダーシーのように「容姿も態度も立派で、しかも名家で財力も半端ない」とまるでストレートフラッシュのごとく全部揃ってきてしまうと、平伏さんばかりになるのですね。

ダービシャー州の半分の土地を所有し、年収一万ポンド。今の日本でざっくり言えば、どっかの県の土地半分を所有し、年収十~数十億円ってところでしょうかw

そら、全員が固まるわけです。

 

 

ナンパしてると、まれに、湖の主かってくらいの超スト高とでくわすことがあります。明らかにとんでもないオーラをはなち、どう考えても生きてる世界が違うエレガントかつゴージャスな超スト高が、ふいに現れる。すると、一瞬、変に尊敬してしまい「こ、こんなレベルに中途半端なナンパしてはいけないな?」などというカスなことを考えて、眺めてるだけでスルーしてしまうことがありますが、ダーシーの登場シーンはそれに近いものがありますね。

こういうとき、たとえ自分よりはるかハイスペックの相手に一瞬怯んでしまったとしても、いっぱしのナンパ師でセルフイメージを高く保とうと常に意識してるやつであれば、

「ふん!つっても、どーせダサいおっさんたちにちやほやされて調子こいてる短大出の田舎者っしょ!どーせろくに本も読んだこともない死ぬほどのアホっしょ!」

などと強がりを言って、無理やり自分を建て直し、チャレンジ精神全開マインドをセッティングして、ちょっとでもいい声かけをしよう、むしろ死ぬほど強気の声かけをしてみようとするくらいでないといけません。

引け目を感じているときに、そのマインドをそのまま反映したような低姿勢をとってしまうと、普通にナンパするより余計にウザがられるのが目に見えているからです。

なのでマシなナンパ師になろうと思うなら、相手にビビって怯むのではなく、自分の方が堂々たる態度で相手を怯ませる側に立とうとする姿勢を常に心がけ、貫こうとするのが重要だと思います。だから無理やりでも「いくら外見は超スト高でも、有名大学出てたり、知的だったりするわけがない!そんな完璧な女がいるわけがない!」って思いこんだり、決めつけたりすることで、一時的に平常心を保ち、自分をちょっとでもマシな状態にしようと工夫が必要なわけです。

 

で、このエリザベスはというと、この「ナンパ師が持つべき姿勢」を完全に貫いてしまっています。

まず会場の男たちのことを、ごく当たり前のごとく「スト低」扱いし、クソみそに言ってますw こういう偉そうな発言を慣れてない人がすると嫌味になってしまうものですが、無邪気にすぱっと心地よいくらいに自然に言えるということは、そういう上から目線キャラが普段から磨かれていて、人を魅了するレベルまですでに達している、ということだと思います。毒舌が、エンタメ・芸の領域にまで磨かれているのですね。

で、誰もがダーシーのスペックにびびって感嘆のまなざしで見ているときに、

「なんかmiserable、poor(みじめ、悲惨、かわいそう)な感じやな、あの人!」

などと言いやがるわけですw

つまり、ストリートで誰が見ても超スト高セレブって女が現れたときに、

「なんか安っぽい服着たスト低がいるなあ?」

などと「実際の印象とはまったく反対のことを言うギャグ」をかますことで、相手の影響力を無力化し、怯まないようにする、みたいな感じですよね。つまり、いったんギャグでダーシーをけなし、ふざけながら「あたかもそこらのスト低と同レベルの扱いをする素振り」をすることで、自分の中に対等以上の態度と気持ちの余裕を確立しようとしているのです。そういうのをこの小娘はすでに習慣としてもっており、ごく当たり前にやれてしまっています。

エリザベスは、普段からこういう姿勢を貫き、高いマインドを保っているので、ダーシーのハイスペック・メダパニが効かないわけです。ダーシーの財力、イケメン、王侯のような態度という「印籠」を見せつけられても、エリザベスだけはブレない。むしろ鼻で笑って「印籠が目に入らないかって?なにそのバカみたいなやつ?とりあえずち〇こ見せろよ!」くらいの舐めた態度をとり、余裕をかませてしまうのですね。

 

そして、問題なのが次のシーンです。

 

 

はいw

ためるように間を取りつつ、急に不意をついて目をあげてエリザベスはダーシーに刺すような一瞥を投げるのですが、ダーシーは驚いてすぐ目をそらします。そしてその様子がむっちゃ不自然なわけですw

エリザベスは一瞬、「うん?」って顔をしてその後、クスリと笑うわけですが、要はここで「もしかしたらダーシーはさほどのやつでもないかもしれない」って感触を得ているのです。

「こいつ、一生懸命偉そうな態度とってっけど、ちょっと目あっただけでブレてっし!ただの意識過剰の、ギスギス男子なんじゃね?こいつの態度はしょせん薄っぺらい、張りぼてみたいなやつかもしれねー!」

って気が付くわけですね。

ものの一瞥で、ですw

 

原作にも「ダーシーの高慢は、実は脆さの裏返し」みたいに書いてあるのですが、この時点でエリザベスは若干気が付いてしまうのですw

ここらへんのニュアンスは、視線の使い方に意識的なナンパ師であればわかると思いますが、NLP風に説明すると、エリザベスはダーシーへ不意をついた一瞥を投げつけつつ、「わたしはおめーにビビッてないけど?」っていうメッセージを、ダーシーの潜在意識に向かって投げつけた、ってことになります。で、ダーシー(の潜在意識)は自分にまったく怯まず、見透かすような一瞥をいきなり投げつけてきた小娘に対し、自己防衛的な動きを見せた=ブレを見せた、ってことになります。

この程度でダーシーはブレる→「こいつ、意外に脆いんじゃね?」って当て推量をつけることができる

ってわけです。

たとえばナンパ時、どう見てもキツそうな背高ギャルに果敢に声をかけ、実はちょっとびびっていたとしても表面的には「まったくブレない態度」を装って、対等以上の立場をキープしていじっているうちに、女が意外にもあっさり脆さを見せる時があります。

「あー、なるほどね。こいつ、見かけによらずたいしたことないなあ。本当はチキンなのを隠そうと、一生懸命キツそうな態度とってるだけってわけね、よしよし」

などと、半分ハッタリの当て推量をして、とりあえず相手からの影響を無力化し、その後のアプローチをより強気で進めることができます。で、どんどん強め強めで打診していくと、実際にすんなり行けてしまった、ってことが結構あると思います。そういう体験をもってるナンパ師なら、このシーンでエリザベスの感じたことがわかるのではないでしょうか。

 

 

一見、超ハイスペックすぎて、つけ入る隙のない難攻不落の城のように見えたのが、

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一瞬だけ、こう見えた。

「あれ?一見ビビるし、みんな騙されてっけど、もしかしてこいつの偉そうな態度は段ボール作りじゃね?ちょっと、ちらっと見えたし!」

もし本当にそうなら・・・、しかもそれに気が付いているのは自分だけだとしたら?

本人すら、気が付いていないとしたら?

だとすれば、攻略できてしまうかもしれません。

 

「・・・・ふーん。ニヤリ」

となるのも、わかりますよね。

何しろ、攻略できれば、一挙に年収10億以上の、王族のごときランクに大逆玉できてしまうのです。そうなればもはやエリザベスにとってはダーシーとのやり取りは桶狭間の戦いとなってくるのであり、このニヤリは「あれ?もしかして今川の本陣は主力と離れたところに陣取ってない?」とざっくり気づいた瞬間のニヤリなわけですね。

この時点でエリザベスが相当のやり手、かなりの腕のナンパ師と同レベル以上だということがわかります。
無邪気に振舞ってますけど、いやはや、恐ろしい女です!

 

 

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