「高慢~]③ ダーシーに欠けてるもの

前回、ダーシーが一見、男として完璧であるようでいて、しかし「こいつ、一生懸命偉そうにしているけど、実はプライド高すぎてギスギスしたコミュ障じゃね?」と、エリザベスはたったの一瞥で見抜いた、(というか当て推量をした)ってことを書きました。

 

その直後のシーンです。

 

 

ダーシー、むっちゃ不愛想・・・

「おめーらとなんかしゃべらねーけど?」とでも言っているような、ブスっとした顔つきです。

見ようによっては、女どもにまるで媚びず、Sキャラぶちこんで「オレは王族のごときであり、そこらの女どもなど眼中にねーし!」と、突き放すような態度をとってるようにも見え、さほど悪くはないような気がします。

少なくとも、変にジェントルぶって媚び媚びになるより全然マシではないか、「ダンディーっぽいし、全然いいんじゃね?」って気もしなくはありません。

 

しかし、これ、ダンディズム道からすると、非常に中途半端なのですよね。

 

実は、『高慢と偏見』の書かれた1800年~は、ダンディズムの王といわれる、ブランメルの全盛期にあたります。おそらくロンドンではブランメル流のドSダンディズムを真似しようと躍起になっていた輩が大勢いたはずで、ダーシーの人物像にもそれなりの影響を及ぼしているかもしれません。

しかしダンディとは、すご腕ナンパ師と同じで、そこらの連中がそう易々と真似できる類のものではありません。

 

「プレイボーイは女性を追いかけることだけに満足している。極めて動物的である。それに対して、ダンディはファッションセンスと巧みなウィットで女性を惹 きつけておきながら、最後には突き放すものである。ダンディは人間の持つ動物的本能を最終的に否定するわけである。言いかえれば、ダンディは人間たる自己を、動物としてではなく、芸術作品の位置に置こうとしていることになる」山田勝 『ブランメル閣下の華麗なダンディ術』

とあるように、ダンディとは男磨きに懲りすぎてオタク化し、女を否定するまでに至ったような超戦闘的な連中なのですが、ブランメルという人は、その大ボスにあたる人ですね。

 

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ダンディズムの王、ブランメル。死ぬほどおしゃれで、最強のSキャラ。

「衣服以外のブランメルの人気の秘密は、素っ気ない口調、冷静で人を見下げたような態度と大胆な毒舌にあると考えられる。その容赦ない毒舌で彼は最大の保護者を失い、沈着なポーカーフェイスぶりはバイロン卿をして『ナポレオンになるより、ブランメルになりたい』と言わしめた」とwikiにありますが、平民出身なのに王族に媚びずタメ口をききまくり、男もしびれるほど見事なまでのSキャラぶりに、ヨーロッパ中から崇拝されていました。

 

 

山田氏はブランメルの時代のダンディズムの特徴として、

①ファッションセンス
②巧みなウィット
③突き放す態度

を挙げておられます。ブランメルがすごかったのは、この3つともに抜きんでていたわけで、①のファッションに関してはメンズモードの創始者と言われるほどであり、②と③に関しても、いくつものレジェンドを残しています。

たとえば、15歳上のイギリス皇太子(後の国王ジョージ4世)に対し、平気でタメ口をきき、皇太子のファッションをディスって

「そんなの服ではないから、今すぐ脱いだ方がいい」

と言ったり、

「つか、オメー、豚じゃね?」

などというドッキリ発言を、きわどいギャグとして言えるような、そんなとんでもねーやつだったのです。

NLPっぽく言うと、「驚愕法強めの混乱法」って感じでしょうか。人が驚き、混乱するような言動をして、カタレプシー(一時的な思考停止と年齢退行)を起こさせて、その隙に主導権を取るという技術なのですが、かなりのセンスと人間的魅力がないとドキュンになってしまう難しい技です。決まれば上下関係とか身分の違いなどをいったんリセットしたり、潜在意識のレベルでは立場を逆転させたりすることができます。

例えば皇太子みたいな偉い人を前にすると、普通の人はビビッてお追従とへつらいくらいしか言えないものです。ヘタしたら落ち着きを失わず立っているだけでもやっとでしょう。そこを、全く媚びない、冷やかな態度で、スパーンと大胆すぎる発言をかまし、会場の注目をかっさらうくらいのトーク力が、ダンディには備わってないといけません。

なので、上のダーシーのように、一見バシッとしてるようでも、ただブスっとしているだけでは中途半端なのですよね。

紹介されて、注意が集まり、何かしらの発言が期待されているとき、ブランメルならピリッとスパイスの効いたドS発言をぼそりとこぼし、強い印象を残すであろうし、オスカー・ワイルドだったら、ウィットの効きまくったメダパニトークを炸裂させ、会場全体を笑いとカタレプシーに落とし込んだことでしょう。

 

トークがしょぼいと、いくら他の要素が際立っていても、がっかりしてしまいます。というか、他の要素が際立っていればいるほど、そいつの残念な要素が余計に気になってしまい、「こいつ、がっかりだな~」ってなってしまうものです。

合コンで、大企業勤めのイケメンで、すげーおしゃれでもある男がいても、態度やトークがカスだったら、マジがっくしします。つまらんギャグをかまし、仕事できるアピール、結婚願望強いアピールなど、死ぬほどわかりやすい女子ウケを狙ったトークをどや顔でされたりしたら、イケメンで肩書きがあるからこそ、余計にムカついてきたりします。プラスの要素がいくつかあって、期待したからこそ、逆に残念な要素が目立ってしまうってやつです。

それなら黙っていてくれた方がまだマシだけど、かといってダーシーのように、イケメンと肩書きを笠に着て、不遜な態度をされても「はあ?」って感じです。偉そうな態度をとるにしても、それがある種の芸・エンタメになっていて、そのキャラが他人を魅了するまで磨かれていなければ、中途半端なわけです。

ダーシーの態度は一見、バシッとしているようで、結局、芸の領域まで全然行けてません。ブランメル流のSキャラは、それが人を魅了するレベルまで磨かれていて初めてダンディとなるのですが、表面的に真似して威張ってる程度では、そんなものダンディでもなんでもないのです。むしろギスギスした神経質な側面が見え隠れし、見苦しいくらいなのですね。

 

このシーンでも、よくよく見ると、

 

ダーシーの目が、なんか泳いでいるのに気が付きます。「本当はどう振舞ったらいいのか確信がない」とでも言ってるようで、落ち着きのない印象を与えます。となりの女の方がまだ、マシな態度を取れているように思えるくらいです(クソ嫌味な感じですが・・)

 

 

というわけで、ダーシーを要素別に評価するとしたら、

①容姿・ファッション   最強レベル

②家柄・肩書き・金    最強レベル

③トーク力         しょぼい

④態度           見かけ倒し。ニセモノ。

①②があるばっかりに、③と④の中途半端さが際立つ、残念な男という判定を下さざるを得ません。

 

ちなみにエリザベスは、

①容姿・ファッション   そこそこ。なくはない程度。

②家柄・肩書き・金    恥ずかしいレベル。

③トーク力         最強レベル

④態度           最強レベル

って感じでしょうか。

ダーシーとまるで正反対ですね。①と②ではダーシーには足元にも及びませんが、③と④ではエリザベスの方が圧勝しており、その圧倒的な差を、いろんな場面でエリザベスは見せつけることになるのですが、次回はそこらへん細かく書いていきます!

 

 

 

** 追記  2017年 7月19日

余談ですが、上の動画に出てくるベネット家の一番下の妹で一番最後に紹介されているメアリー役の子は、後にイーロン・マスクと結婚したタルラ・ライリーという女優です。なんかコミュ障オーラみたいなジメジメしたものを出しているメンヘラっぽい女優で全然好きになれないのですが、イーロンは元虐められっ子ですので、もしかしたらこのオーラに親近感を抱いたのかもしれません。
たいした女優ではないくせに、生意気にもイーロンと離婚、その後再びイーロンと再婚、また離婚、というドタバタをやらかしています。半分売名行為なのか、それとも女優として限界を感じて戻ってみたのかわかりませんが、全然話題にならなかったのは、やはりこの女優がたいしたことないって証拠でしょう。
アメリカを代表するような実業家がこんなジメジメした3流女優に振り回されていていいのか、とか思っていましたが、しかし、イーロンはこの3流女優との二度目の離婚後、まさかのジョニデの元嫁アンバー・ハードと付き合うなんてことをやらかしてるようです。明らかにアンバーの方がビッチとしての器が大きく、イーロンを振り回すこと必至であろうから、心配でなりません・・・。
大成した男に恋愛力がないと、そこに付け込もうとするクソ女どもが群がり、振り回され、器がサゲられそうです。男は自分の器や収入に見合った恋愛・人間力を磨いておかないとマズいですよね。特にイーロンのような影響力の強い実業家が女に振り回されるようなことがあっては世の損失ですので、ブランメルのごとく、徹底的に突き放しつつ、完全に自分のペースにもっていけるくらいがいいですよね。女から一切影響を受けず、女の方が男のご機嫌を伺って勝手に振り回されてるくらいでないと、肝心の実業の方がおろそかになってしまいますので。やはり男として完成するためには、恋愛力を高めておくのは必須です。
ミュージシャンとかはさすがにそこら辺の感覚はあり、振り回されるよりは振り回す方であろうとしそうですよね。
しかし恋愛力を磨く時間のない実業家やエリートサラリーマン、スポーツ選手、社畜リーマンなどが恋愛力の高いビッチに捕まれば、呑まれてしまう可能性は大きくなるから注意が必要ですわな!くわばらくわばら!

 

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自信なさげでキャラ立ちしてない3流女優タルラ・ライリー
この程度の女に振り回されてしまうイーロン。心配です・・・。

 

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もう、絵に描いたような鼻下を伸ばした顔で、デレデレしすぎです・・・泣
「オレでいいの?」みたいな自信のなさ丸出しで、社会的経済的強者である年上の男が占めているべき立ち位置から自ら降りてしまっている感があります。世界級の実業家がこんな顔晒しててはいけません。

 

 

 

 

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ロバート・ロドリゲスの映画『マチェーテキルズ』のアンバー・ハード
レディー・ガガ、ジェシカ・アルバなど豪華キャストをさしおいて、アンバーは強い印象をかっさらっています。明らかに華があり、自信にあふれ、世の中を舐め腐った感を出してます。きっちりキャラ立ちしてますね。

 

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総資産額1.6兆円のイーロンに対し、舐め腐った態度で余裕でマウント取ってくるアンバー。男として全盛期の40半ば、実績を積んだイーロンは先ほどの画像よりは態度が男っぽくなっているにしても、アンバーがさらにその上を行こうとしてますねw 年収や実績等プレーヤーとしてイーロンの方が断然各上のはずなのに、もはや旬を過ぎつつある一介のアラサー女優が、キャラを使いこないして力関係を逆転させてしまっている感があります。よく見るとイーロンのほっぺにキスマーク・・。まるで「イーロンの所有者はこの私だ」と言わんばかりです。この調子では今後、完全にしてやられていきそうですが、イーロン大丈夫でしょうか??

もしアンバーが今後も女優としてのキャリアに不安・焦りがあるとしたら、つけ入る隙があるはずです。イーロンはうまくそこをついて、「再婚候補は他にもいる」とかそれとなくちらつかせたりしつつ、主導権を取っていき、最初に強者としての立ち位置を取っておいた方がいい、などなどとおせっかいを言いたくなるのですが、さすがにイーロンは以前よりはクソ女どもを学習しており、そこらの機敏を少しはわかっているでしょうか?? いらぬ心配でしょうか??

 

 

 

 

 

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